研究課題/領域番号 |
21520523
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小野 正樹 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (10302340)
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研究分担者 |
牧原 功 群馬大学, 国際教育・研究センター, 准教授 (20332562)
青木 三郎 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50184031)
沼田 善子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70189356)
竹沢 幸一 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40206967)
関崎 博紀 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教 (30512850)
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キーワード | モダリティ / とりたて詞 / 母語別文法 / 習得 / 命令形 / 配慮表現 / 発話行為理論 |
研究概要 |
研究計画として、日本語教育文法の選定および体系化と、母語別に見た学習者の問題点の項目化を挙げた。H21年度は「モダリティ」と「とりたて」を研究項目として取り組み、その成果は、北京大学における、9月の北京大学・清華大学・筑波大学3大学合同セミナーで、日本語学の視点からの「とりたて詞「くらい」の意味とモダリティ」(沼田)、言語学の視点からの「モーダル名詞+コピュラ」構文の統語構造(竹沢)として発表を行い、研究目的の確認と今後の課題について、議論を深めた。さらに、2月にも行った同セミナーで沼田は「とりたて詞「も」の作用域と否定」として、課題となっている現象のリスト化を行い、なすべき課題がはっきりとした。 また、牧原と小野が中心となり、発話行為理論に基づき、「禁止」「許可」「改善要求」「勧誘」「主張」「賞賛」「伝聞報告」に関わる日本語の表現方法を『コミュニケーションと配慮表現-日本語語用論入門-』13章にまとめ、H22年度以降の記述ポイントを明確にした。 また、母語別に見た研究としては、中国語母語話者に限ってみると、沼田の指摘したとりたて詞の習得が難しいようで、特に"外の関係"とされる連体修飾と合わせて、学習者には課題になっている。また、命令形の用法を見ると英語母語話者が親しい関係での命令形使用を行うのに対し、中国語母語話者が上位・下位者の関係でのみ、命令形を意識していることなど、母語別記述の方向性が見えて来たところで、次年度への課題として考えている。
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