研究課題/領域番号 |
21520523
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小野 正樹 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (10302340)
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研究分担者 |
青木 三郎 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50184031)
沼田 善子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70189356)
竹沢 幸一 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40206967)
牧原 功 群馬大学, 国際教育・研究センター, 准教授 (20332562)
関崎 博紀 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教 (30512850)
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キーワード | 主観性 / コミュニケーション能力 / モダリティ / 引用 / 配慮表現 / 対照言語 |
研究概要 |
今年度の3方向で研究を進めた。1点目は主観性を中心に研究を行った。研究成果として、2010年11月中国人民大学・北京大学・筑波大学日本言語文学フォーラムで成果を発表した。特に、中国語(竹沢幸一)、韓国語(小野正樹)との対照研究を視野に入れた文末表現や、モーダルな名詞について扱った。主観性という概念が、言語研究だけではなく、文学研究との接点が発見でき、かつ、日本語以外の言語との比較の方法を議論した。文学との関わりにおいては、「ただ」という言語形式が、従来の副詞的用法といった言語分析のみならず、一作家の分析にも可能なことを示した(青木三郎)。 2点目として、従来意味論で扱われてきた、主観性をコミュニケーション上での研究対象とした場合についての課題を指摘し(沼田善子)、最終年度に向けての方向性を明らかにした。それを受けて、2011年2月に、第1回日本語コミュニケーション研究会を主催し、モダリティ研究の再考(牧原功)、引用研究の捉え直し(小野正樹)を行った。2011年3月には、コミュニケーションの課題となっている配慮表現の考え方を発表し、習得研究にも応用可能なことを示した。文法形式のみならず、談話構造の分析にも有効かを検証した。文法的な現象については、基本的な考え方は、2010年5月刊行の『日本語教育研究への招待』に、「コミュニケーションのための文法-語用論の観点から、日本語教育文法を見直す-」(小野正樹)としてまとめた。 3点目は、語彙分野の検討で、本年度は、上級学習者の作例会話データベースを作成し、特に文末表現、とりたて詞、副詞についての日本語学習者による作例のデータ収集を行った。
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