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2010 年度 実績報告書

演劇的アプローチを使った音声教育教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21520534
研究機関岐阜大学

研究代表者

橋本 慎吾  岐阜大学, 留学生センター, 准教授 (20293582)

キーワード日本語音声学 / 教材開発 / 演劇的アプローチ
研究概要

本研究は日本語音声教育の新しい方法論として、演劇の知見を援用した「演劇的アプローチ」による日本語音声教育の開発を目的とする。平成22年度は、前年度に行なった劇団・青年団の新作公演稽古分析を援用した授業デザインを行ない、実践を行なった。
従来の音声教育は単音やアクセントなどの言語情報中心である。一方、演劇の稽古において、言語情報は既に俳優が身に付けているものであり(母語話者・東京方言話者であれば)、渡された台本を読み合わせる段階で多少の調整はあるがそれが稽古の中心ではない。稽古はその次の段階に対して行なわれる。次の段階とは、言葉のやり取りにおける抑揚やタイミング、相手との距離、立ち位置、身体の動きなどを含めた総合的な表現を、演出家の下で繰り返し調整することである。この稽古によって、自然な会話に近づいていく。再び音声教育に戻ると、自然な音声会話の実現を目指す教育においては、言語情報中心の教育では十分ではなく、演劇稽古のような「次の段階」の教育が必要となる。
以上の観点から、日本語教科書の会話文を使い、自然な日本語会話を目指した音声教育を試行した。まず会話文を読みながら言語情報の指導を行なった後、会話文を一つのシーンと考え、実際に相手との距離や身体の動きなどを意識しながら、抑揚やタイミングを調整していく。こうした練習を重ね、今回は日本語母語話者(大学生)の前で披露し、評価を受けた。その結果、評価の高かった学習者においては間のとり方、流暢さ、文の区切り方、声の大きさなどを評価するコメントが多く、それらが言語情報(発音やイントネーション)の不備をカバーしたという評価がなされた。次年度は方法論をさらに整備していきたいと考えている。
なお、研究計画では今年度に日本語母語話者10名による評価実験を行なう予定であったが、今年度は試行の段階であったので、次年度に行なうことにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 「読み合わせ」を意識した音声教育デザイン2011

    • 著者名/発表者名
      橋本慎吾
    • 雑誌名

      岐阜大学留学生センター紀要2010

      ページ: 55-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語コミュニケーション教育への新しい切り口:演劇的アプローチ2010

    • 著者名/発表者名
      野呂博子・川口義一・平田オリザ・橋本慎吾
    • 雑誌名

      2010世界日本語教育大会論文集・予稿集(DVD)

    • 査読あり
  • [学会発表] 「読み合わせ」を意識した活動による会話授業デザイン2010

    • 著者名/発表者名
      橋本慎吾
    • 学会等名
      国際表現言語学会第3回大会
    • 発表場所
      摂南大学
    • 年月日
      2010-08-06
  • [学会発表] 日本語コミュニケーション教育への新しい切り口:演劇的アプローチ2010

    • 著者名/発表者名
      野呂博子・川口義一・平田オリザ・橋本慎吾
    • 学会等名
      2010世界日本語教育大会
    • 発表場所
      国立政治大学(台湾)
    • 年月日
      2010-08-01

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公開日: 2012-07-19  

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