本研究は日本語音声教育の新しい方法論として、演劇の知見を援用した「演劇的アプローチ」による日本語音声教育の開発を目的とし、劇団・青年団の新作公演稽古に見られる音声的変化分析し、その結果を踏まえ、日本語教科書の会話文を使った自然な日本語会話を目指した音声教育を試行し、その成果を日本語母語話者(大学生)の前で披露し、評価を受けた。その結果、評価の高かった学習者においては間のとり方、流暢さ、文の区切り方、声の大きさなどを評価するコメントが多く、それらが言語情報(発音やイントネーション)の不備をカバーしたという評価がなされた。
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