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2009 年度 実績報告書

読み書き能力レベル判定試験の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21520536
研究機関名古屋大学

研究代表者

村上 京子  名古屋大学, 留学生センター, 教授 (00210005)

キーワード日本語教育 / 読み書き能力 / 判定試験 / テスト開発 / 外国人就労者 / 信頼性 / 妥当性 / 行動記述文によるレベル表示
研究概要

アメリカやヨーロッパを中心に言語教育評価に関して大きなパラダイムシフトが起きている。単なるレベル分け評価から、明確な行動記述による目標基準準拠評価へと変わってきている。これまで評価の対象とはされてこなかった教室指導を受けていない外国人就労者の言語能力に関しても、ドイツ、オランダなど移民受け入れのための言語テストが開発されるなど、最近活発になってきている。それらの評価に関する情報を収集し、日本在住の外国人就労者のレベル判定試験を開発するのが、本研究の目的である。
ヨーロッパ言語共通参照枠組み(CEFR)や全米外国語教育協会OPI基準を参照し、レベル0から6までの7段階の行動記述文によるレベル表示を作成した。この基準に基づき「読み書き能力判定テストVer.1」を開発し、215名の外国人対象者に実施した。結果からテストの妥当性、信頼性、および各項目の識別度を算出し、改善を行い、「読み書き能力判定テストVer.2」を作成した。このテストの特徴は、(1)これまで日本語が読めなければ受けることができなかった他の試験の欠点を克服するために、多言語対応にし、受験者が母語で問題の指示等を受けられるようにした。(2)試験に含まれる問題内容は、受験者が生活の中で実際に求められる行動を調査し、現実性のあるものとした。(3)実施・採点に当たっては、就労外国人と接触する一般の人々が使用可能なように、ガイドラインを作り、実施マニュアルを作成した。現在までにこのテストを201名の対象者に実施した。
今後、この実施結果を分析し、さらに精度の高い測定具に改善しているとともに、行動記述文によるレベル表示も受験者自身および企業や就職支援にかかわる人々など多くの人にとって、わかりやすいものにしていく必要がある。身に付いた日本語能力が客観的に把握できることは、外国人対象者自身にとって、日本語学習への動機づけとなっていくと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 外国人就労者のための日本 'Can Do' statementsの開発-パフォーマンス・テストによる妥当性の検討2009

    • 著者名/発表者名
      村上京子
    • 雑誌名

      言語教育評価研究 1

      ページ: 21-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語学習支援システム構築に向けた能力判定の開発2009

    • 著者名/発表者名
      村上京子
    • 雑誌名

      ヨーロッパ日本語教育 13

      ページ: 81-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 名古屋大学における日韓共同理工系学部留学生の日本語能力の伸び-日本語診断試験と修了試験と通して見た推移-2009

    • 著者名/発表者名
      村上京子
    • 雑誌名

      名古屋大学留学生センター紀要 7

      ページ: 5-12

    • 査読あり
  • [学会発表] 外国人就労者に対する日本語コミュニケーション能力判定基準の開発2009

    • 著者名/発表者名
      村上京子
    • 学会等名
      第14回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム
    • 発表場所
      ドイツ、ベルリン自由大学
    • 年月日
      2009-09-05
  • [学会発表] とよた日本語学習システム型教室で何が起こっているのか-日本語学習の成果は上がっているのか-2009

    • 著者名/発表者名
      村上京子
    • 学会等名
      第18回小出記念日本語教育研究会
    • 発表場所
      名古屋外国語大学
    • 年月日
      2009-07-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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