研究課題/領域番号 |
21520541
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
奥村 訓代 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (20221153)
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研究分担者 |
坂本 雅代 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (80290360)
EVA Garciadelsaz 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 助教 (10294828)
山下 明昭 香川大学, 教育学部, 教授 (40253249)
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キーワード | EPA / 看護師・介護士 / 異文化適応 / 日本語の壁 / 過疎地高知 / 双方の接点 |
研究概要 |
今年度は、EPAによるインドネシアを中心とする候補生への聞き取り調査や国家試験受験に向けての進捗状況の把握と助言などをおこなった。高知県で得られない候補生からの生情報は、徳島や香川県で収集し、担当者間で情報交換した。 一方、予定していた海外調査が実施できなかったため、インドネシアにおけるEPAに対する知名度・認識度、および意識変化調査が行えなかったことは残念である。特に3年生看護大学と4年生看護大学の情報網の異なりや、EPAに対する基本的スタンスの違い、また障害となる漢字などの諸要因を包括した上で、過去4年間のインドネシアにおけるEPA参加の変化を相対的に再認識する資料を得ることができなかった。 更に、少しは定着したと考えうる「介護士」というものに対する認識の定着度や認識度、並びに問題点などをまとめることができなかったので次年度への課題としたい。 我々のチームでは、EPAを常に双方向の視点から考えるようにしている。つまり日本サイドからの視点のみならずインドネシアやフィリピンの視点からもその問題点や課題をさぐることにより問題の所在を明らかにしようとしている。また同時に国内においても地域差(環境、気候、文化、経済、外国人看護師の必要性、社会性など)の違いを常に念頭に置きながら、バランス良い進め方に注意している。双方の国や人々にとって利益をもたらすウィン・ウィン・プロジェクトとしてのEPA対策推進の方策構築を目標としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地調査ができなかったため、数値からは見えてこない実情を知ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、最終年度(完成年度)となるため、なんとか過疎地高知であるが故に看護師や介護士のみならず外国人自体が少なく、また必要としない体質の不思議さを解明し、同時に双方(送り手、と受け手)の視点から、EPAプログラム開始から5年目のまとめとなるような看護師・介護士にまつわる諸々の問題を見やすく纏めたい。 「日本における看護師・介護士候補生に対する期待と実状」、「それぞれの国におけるEPAによる看護師・介護士候補生に対する認識と期待、そして実状」を整理する。 さらに、全体的には今後増えるであろう諸外国からの受入れに対し、参考となる指針を作りたいと願っている。そして一方では、過疎化の最先端にいながら、他方では「日本一の健康長寿県」を目指す高知県に内在する外国人労働者問題の視点や、地域性から生じている諸問題解決への糸口と方策を纏めたい。
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