日本とアジア諸国とのEPAによって2008年から外国人介護福祉士の受け入れが始まり、在日外国人の就労への期待が高まっている。介護の仕事では、相手を尊重し、寄り添う気持ちをもってよりよい人間関係を築くため、コミュニケーションの方策は極めて重要である。今後の日本の介護の領域において、外国人介護福祉士は必要不可欠な存在であることから、介護福祉の専門日本語教育の確立は急務である。本研究では、現場の談話活動を通して、介護に特有な談話ストラテジー(高齢者理解や尊重に基づく)や、談話構造を明らかにし、効果的な教育法や教材の開発に向け手鄭玄を行った。具体的には、高齢者尊重や理解に基づく談話展開や談話技術(相手の発話を待つ、引きだす)、地域語の理解に加え、高齢者の世代を踏まえた日本の歴史や文化などが盛り込まれた体系的な学習について言及した。
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