研究課題/領域番号 |
21520549
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研究機関 | 大阪観光大学 |
研究代表者 |
坪根 由香里 大阪観光大学, 観光学部, 准教授 (80327733)
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研究分担者 |
小澤 伊久美 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (60296796)
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キーワード | 教師論 / 教授法 / 教師研修 / ビリーフ / ノンネイティブ教師 / タイ、韓国、中国 / PAC分析 / 構造方程式モデリング |
研究概要 |
1.研究目的 本研究の目的は、日本語を母語としない教師(NNT)のビリーフ現地調査を量的・質的両面で実施し、NNTの教師研修にどのような視点が必要かを考えることである。3年目の23年度は中国を中心に調査を実施した。 2.研究方法 量的調査:ビリーフ質問紙調査を行い、構造方程式モデリング(SEM)によって分析を行う。SEMでは各因子間の相関・因果関係が表されるため、ある事柄の原因がわかることで教師研修にも役立てられると考える。 質的調査:自由連想とその類似度評定に基づくインタビューを主とするPAC(Personal Attitude Construct)分析法を用いる。 3.研究成果 平成23年度は、中国人教師を対象に量的・質的調査を実施した。中国の大学で日本語を教える中国人日本語教師を対象として8月にビリーフ質問紙調査を実施し、現在は回収が終わって、入力作業を行っている。また、8月に1名、2月に1名の中国人教師を対象としてPAC分析を実施した。さらに、韓国人教師を対象に平成22年度に実施した量的調査で回収率が低かったため、継続して調査依頼を行った。 韓国人・中国人教師に対する質的調査では、新人教師・経験教師各5名に対してPAC分析を実施し、そのビリーフの内容を比較することで日本語教師に必要なものを探ろうとしている。また、量的調査をSEMで分析することによって、PAC分析等から導き出せる「いい日本語教師」の要素間の因果関係に関する仮説の検証を行うことができる。 研究成果に関しては、タイで実施した質問紙調査の結果をSEMを用いて分析し、8月の日本語教育世界大会で発表を行ったほか、タイの質的調査に関しても論文発表、口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査の実施はおおむね順調に進展しているが、韓国の質問紙調査に関しては、前述の通り回収率が低かったため、継続して依頼をしている状況である。実施した調査の分析作業については、現在一昨年度に実施した韓国の質的調査のデータについて行っている。
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今後の研究の推進方策 |
韓国の質問紙については、今後の回収状況によっては、再度訪韓することも考える。その際は、現地で学会が行われる時にあわせて行くようにする。 今年度が最終年度であるため、本研究課題の今後の継続の方向性を検討するつもりである。
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