研究課題/領域番号 |
21520559
|
研究機関 | 東北文教大学短期大学部 |
研究代表者 |
後藤 典子 東北文教大学短期大学部, 総合文化学科, 准教授 (50369295)
|
研究分担者 |
山上 龍子 東北文教大学短期大学部, 留学生別科, 非常勤講師 (90461722)
澤 恩嬉 東北文教大学短期大学部, 総合文化学科, 准教授 (50389699)
三瓶 典子 東北文教大学短期大学部, 人間福祉学科, 准教授 (60537760)
齋藤 美穂 東北文教大学短期大学部, 人間福祉学科, 講師 (70537761)
熊坂 聡 東北文教大学短期大学部, 人間福祉学科, 非常勤講師 (30389697)
|
キーワード | 外国人 / 介護 / 地域語教材 / 音声教材 / 非母語話者 / コミュニケーション / 複雑な音変化 / ロールプレイング |
研究概要 |
平成23年度はこれまでに行った調査から得られた特徴を基に、外国人のための介護地域語教材『聞いてわかる介護の山形ことば』を作成した。 1)施設利用者と非母語話者の会話の録音調査、2)介護日本語教材本文を基にした内省による地域語化調査、3)介護施設内での24時間の発話の録音調査、から得られた結果の要点は以下のとおりである。(1)非母語話者に対しても、地域語は使用される。(2)日常20代~40代の地域語話者が使用する地域語より方言色の強い地域語が使用されている。(3)非母語話者は表面上コミュニケーションを滞らせることがなくても、地域語の理解は難しく、特に複雑な音変化の地域語表現について不理解となることが多い。(4)介護士の地域語使用に関しては相手・場面による使い分けがある。(5)介護士が利用者に対して使用する地域語は、個人差はあるものの、文末では「です・ます」を使用するなど丁寧さが含まれる地域語表現が多い。(6)敬語表現は少なく、代わりに「~てける(共通語の「くれる」)」「~てもらう」などの授受表現の使用が多い。 教材の構成は大きく1)「利用者が話す地域語」2)「介護士が話す地域語」3)「山形ことばの文法ポイント」である。1)は利用者が使用する特殊な音や複雑な音変化を聞き取ることを目的とし、2)は(1)利用者と話す(2)介護士同士(申し送り)(3)利用者の家族と話す、の3つに分け、それぞれの場面毎の特徴がわかるようにした。3)は山形地域語の文法や発音の特徴を一覧できるよう40項目にまとめた。自然な音声教材にするため、特徴的な介護場面を設定した上で地域語母語話者によるロールプレイングで会話本文を作成した。各課毎に場面毎の地域語の特徴がわかるよう工夫した。また、複雑な音変化や地域語表現など不理解となりそうな箇所に注の形で解説して正しく理解できるようにし、3)のポイントの番号を示して知識の整理が行えるようにした。
|