(1)文献調査 日本の英語教育の観点から、気づきの理論的基盤を確立、デザインや分析法の精緻化のため、外国語・第二言語習得研究の文献調査を行った。日本の英語教育は外国語教育であり、その観点から、気づきと英語教育を考えていく必要を探った。 (2)実験の実施 67名の日本人大学生を対象とした、気づきの実験を行った。成果として、インプット活動の中で文法や語彙に気づかせるためには、学習者の認知プロセスを考慮する必要があることが示された。今年度、全国英語教育学会大阪研究大会(2010年8月7-8日)にて、発表する予定である。 (3)国内学会発表 全国英語教育学会鳥取研究大会(2009年8月8-9日)にて、書写と自己添削が気づきに及ぼす効果に関する論文を口頭発表した。研究成果に基づいて、英文の書写は、予習として行われるだけではなく、授業後に復習として行うことの重要性も指摘した。 (4)国内外学術雑誌への論文出版 「System」にて、英語習熟度が気づきに及ぼす影響に関する論文を発表した。本論文を通して、習熟度だけではなく、タスクの種類も気づきに影響を与えていることが示され、気づき、英語の習熟度、及びタスクの種類の相互作用について研究していく必要性を提示している。 「言語・脳・認知の科学と外国語習得」(ひつじ書房)において、アウトプットが気づきに及ぼす影響に関する論文を発表した。本論文では、アウトプットが気づきや第二言語習得に及ぼす影響と、それを生かした英語教授法について言及している。 「東北英語教育学会紀要」第30号たおいて、書写と自己添削が気づきに与える影響に関する論文を発表した。
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