通訳者養成の研修集中セミナーや月例会を継続的に実施しつつ、(1)通訳者が必要とする日独専門用語データベースの整備と公開(2)「誤訳データベース」の充実(3)日独通訳の立場から見た、「よい通訳とはどういうことか」に関する通訳・翻訳の理論構築の3点の研究を継続して行なった。 日独専門用語データベースについては、通常の独和辞典に収録されていないような用語を今後も集めるとともに、使い勝手がよくなる方策を模索した。所収単語量が膨大になるにつれて規格統一が困難になりつつあるため、短期雇用者には、各単語の記載に関する記述の統一化や重複チェック、ドイツ語名詞の性の記載等、記載の精密化作業を依頼した。 11月にはハイデルベルク大学に約一週間の研究訪問を行なった。ハイデルベルク大学では、かねてより評価の高い通訳・翻訳者養成のマスターコースに日本語が初めて加わったため、教授法に関する交流や、日独で共同に行えるプロジェクトの企画等を話し合い、共同授業も行なった。またこれまでの研究成果を踏まえて、日独通訳者養成に関する講演を12月1日に行なった。ハイデルベルクではまた単語リストについても、プログラミングの専門家と意見交換を行うことができた。現地で立ち上げようとしている単語データベースのプロジェクト担当者と意見交換し、当方で構築中のデータベースとは対象や目的が多少異なるものの、できれば今後データやインターフェースの共同化をめざして今後も緊密な連絡を取り合うこととなった。
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