研究課題/領域番号 |
21520566
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
相澤 啓一 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80175710)
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キーワード | ドイツ語教育 / 専門用語辞典 / 通訳者養成 |
研究概要 |
本年度はサバティカルを得て、筑波大学ボン事務所の現地責任者を務めたため、国際交流の仕事が多忙を極め、なかなか計画通りの研究を進めることができなかった。それでも、専門用語辞典については大きな進展を見ることができた。年度当初の段階において、データ上では8万語を越えるデータが集まっていたが、さまざまな協力者からの多様なデータが集められたため、玉石混淆で記述重複も多く、記述基準もまちまちであり、統一的単語リストとは言えない状態となってしまった。8万という数の膨大な単語があると、その処理もなかなか大変なものとなる。その反省を踏まえ、また効率的な処理を目指して、昨年度末にはさまざまな助言を得て、実用性が高くて信頼性の高い専門用語集作成を目指す軌道修正を行わざるを得なかった。いわば量より質の転換である。幸いこの事業に対してはハイデルベルク大学日本学および通訳翻訳マスターコースの全面的協力を得ることができたため、共同で作成した専門用語集作成のためのプラットフォームを最大限活用し、このプロジェクトに関心を持つドイツ在住の若手院生たち10名程度の協力も得ながら、多数の目でデータの質的レベル向上に向けた作業を行うことができた。その信頼関係と作業手順を、今年度も引きついで作業を継続することとする。作業は現在、いったん信頼の高いコア・データに限定して集中し、記述基準や分類カテゴリーなどを精査して、モデルとなる中核データベースを構築しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ボンにおける一年間の滞在中は、国際交流の仕事に忙殺されてしまったため。とはいえ、単語リスト作成にとっては、質的向上から始めるプロセスや作業プラットフォームを確立することができたのは大きな成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、単語リストのコア部分の質的整備を行った上で、改めて量的拡大や分野別単語リストなどの作成に向けた作業へと移行することとなる。とりわけ、ハイデルベルク大学において別途作成中となっている各分野ごとの専門用語リストを、フォーマットを揃えることにより一つずつ統合していく作業が目標となる。加えて、日本における毎月の通訳者研修を復活させ(昨年度は私の一年間のドイツ滞在により空白となってしまったものである)、また、筑波大学ボン事務所の協力を得ながらドイツにおける通訳者集中研修合宿を昨年に引き続き夏頃を目途に実施することにより、上記単語リスト作成に関する知見や問題点を話し合う機会とする。
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