研究概要 |
本研究では第二言語習得研究に基づき、内容重視の指導と正確さ重視の指導を統合するタスク活動を開発・改良し、その効果を測定することを目的としている。そのため、理論面では(1)(2)を課題とし、気づきのプロセスの解明を目的としている。 (1)統合的コミュニケーション活動に取り組む前に、学習者の注意を事前に操作することは、内容理解と文法理解を促進するのか。 (2)上記(1)の結果は学習者の第二言語習熟度やモダリティの制約をどのように受けるのか。 また、実践面では(3)-(6)を目標としている。 (3)内容理解と文法理解を目的とする統合的コミュニケーション活動を英語の習熟度やモダリティに応じて指導するための使用ガイドラインの提案、 (4)統合的コミュニケーション能力を伸ばす指導技術の開発、 (5)高大連携をねらった指導技術の開発を中学生対象の指導技術開発にも波及効果を及ぼし、 (6)本研究の成果を国内外での学会発表し、学術論文として出版し、教員免許更新講習やその他のワークショップ等の機会を通して、高等学校や大学の教員と共有し、英語指導法の改善を目指す。 (1)(2)については、予想していた結果が出て、学会発表も次の2件行うことができた。 (1)平成22年8月に「フォーカス・オン・フォームが英文産出に及ぼす気づきの効用」を全国英語教育学会の全国大会(大阪大会)にて、(2)平成22年9月8日には'Differential effects of pre-task consciousness raising tasks and collaborative dialogue on the learning of English Present Perfect Tense'を英国応用言語学会(BAAL)の年次大会(Aberdeen,Scotland)にて発表した。 (3)-(6)についても検討と実践が深まり、横浜国大における教員免許更新講習(8月)においてその成果に基づく講義を行うことができた。
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