研究概要 |
多読は,文章を分析しながら読むのではなく大意を把握するような読み方により,読解力や語学能力を高める学習方法であり,多読の効果を高めるためには,自発的かつ継続的に多数の本を読み進めることが必要である.しかし,受講者が1,000人を越えるような環境においては,適切な個別指導は困難となる.本研究では,各学生が持つ「レベル」「分野」に関する情報を集約する「集合知」の技術を用い,学習者間の情報共有により適切な本の提示を行い,多読に対するモチベーションの持続を図る「多読支援システム」の開発を目的とした. 本年度は,昨年度に開発した基本システムを授業に適用し,運用状況の解析から手法の検討を行うと共に,昨年度後期からの試験運用結果から得られたデータを元にモチベーション維持の手法を考案し開発を行った. 昨年度実装した読書量の少ない学生に対するサポートを重視し,読書履歴とレポート提出履歴の双方を複合して可視化する機能を授業に適用し,この効果について測定を行った. また,多読の効果を測定するための,オンラインプレイスメントテスト機能を試作し,これを授業に適用することで,測定方法の検討を行った.
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