本研究では、英語のリスニングでのディクテーションの誤答分析に基づいて2種類の英単語リストを作成した。それぞれの単語リストによる練習が、1. 単語認知および単語認知のための音素知覚や音節認識、および2. 絶対評価による英語能力テストのリスニング分野の正答率にどのように影響するかについて、その正答率(上位・中位・下位)別に比較し分析することを目的としている。研究期間初年度の平成21年度は、後期に教養教育の大学2年生の2クラスを対象にTOEIC対応テキストのディクテーションの解答を収集し、分析を行った。クラスごとに主な誤答について、その正答の単語リスト、または音素列対照単語リストを提示した。正答の単語リストでの練習は、聞き間違えた単語の正答のスペルを見せながら、その発音を2回づつ聞かせた。一方、音素列対照単語リストでの練習は、正答と主な誤答および、それぞれについて発音の聞き間違えている音素列を対照的に含む別の単語を選び、単語リストを作成して提示した。それらのスペルを見せながら発音を2回つつ聞かせて聞き分け練習を行った。2種類の単語リストによる練習の音素知覚や音節認識への影響、および単語認知への効果を分析するため、実験期間後に目標単語を別の文脈に含むディクテーションを行ない解答を収集した。さらに単語リストでの練習の英語能力テストのリスニング分野の正答率への影響を比較し分析するため、実験期間前後に英語能力判定テストを実施した。データはすべて現在分析中である。
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