本研究3年目の平成23年度は、大学の教養教育の英語の2クラスを対象に、平成22年度使用した教材とは異なるABC放送のDVD教材中のディクテーションの解答を、チャンク毎に収集し誤答分析を行った。クラス別に主な誤答について、2種類の英語のリストを作成し練習を行った。それぞれのリストを使った練習のリスニングにおける単語認知、およびGTEC大学向けCTEのリスニングスコアへの影響を比較し分析することを主な目的としている。 統制群は、主な誤答が見られたチャンクについて、正答チャンクのリストでスペルを見ながら発音を聞いた。一方、実験群は、チャンク内の誤答の単語の発音を正答の単語の発音と比較し、両方の聞き取れている同じ部分以外の聞き間違えた音素列に焦点を当てて練習した。すなわち、誤答の単語内の間違えた音素列と、それと対照する正答の単語内の音素列をそれぞれに含む、誤答と正答とは別々の単語のペアを辞書のDVD-ROM等から選び、提示する音素列対照単語リスト(以下対照単語リスト)を作成した。主な誤答が見られたチャンクについて、正答のチャンクと主な誤答、および音素列対照単語のペアをそれぞれスペルを見ながら発音を聞く練習を行った。 チャンクの聞き取りでの単語認知への効果を分析するため、実験後に別文脈中において、目標となる正答のチャンクに加えて、誤答中の音素列と対照する目標となる正答中の音素列を含む単語で、練習した対照単語リストに含まれる単語および同リストに含まれない単語のディクテーションを行った。さらに全体的リスニング能力への影響を比較し分析するため、実験前後にGTEC大学向けCTEを実施した。データはすべて現在分析中である。
|