09年度(平成21年度)の本研究は、前回の現代俳句についての科研費研究の成果を発展させる形で、以下の段階で行われた。 1) テープ起こし・翻訳チームの編成、2) インタビューの字幕翻訳の作成、俳句・散文作品の学術翻訳、3) 歴史的・社会的・文化的・伝記的背景の研究と注釈の作成4) 機材の購入、5) 研究成果の発表: 項目1に関しては、新たに研究協力者としてDavid Ostman(熊本県立大学兼任講師)を加え、より専門性を高めた。 項目2と3に関しては、現代俳句協会会長である宇多喜代子のインタビューの字幕翻訳を行った。また、新たな翻訳チームで現代俳句協会名誉会長金子兜太の俳句および俳論の翻訳を行った。 項目4に関しては、専門的なプロユースの機材を揃え、次年度以降の研究計画に備えた。次年度以降は地域の伝承などを現代俳句を通して再構築するという興味深い試みを行っている俳人である星永文夫のドキュメンタリーを撮影・制作する予定である。 項目5に関しては、7本の論文(単著:4本・共著3本、うちファースト2本)を発表し、国際学会での発表を1回行った。また、前回の科研費研究の成果の一つである著書_Poems of Consciousness_(単著・DVD-ROM付き、302 pp)がHaiku Society of Americaの授与する賞であるMildred Kanterman Special Award for Haiku Criticism and Theory (2009)を受賞した。
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