研究課題/領域番号 |
21520589
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
平川 要 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90118092)
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研究分担者 |
島浦 一博 九州国際大学, 経済学部, 教授 (60196467)
中島 邦雄 独立行政法人水産大学校, 水産流通経営学科, 教授 (00416455)
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キーワード | nichtの位置 / 否定の焦点範囲 / 否定の適用範囲 / 文否定 / 部分否定 |
研究概要 |
ドイツ語の否定表現について、研究3年目にあたる23年度は、否定詞nichtの位置による文否定と部分否定の境界の曖昧さを分析し、否定の適用範囲と焦点範囲という概念にそって次の項目に従い、nichtの位置の検証を行った。 1.nichtを前置する副詞類について 2.否定枠からの除外について 3.目的語に対するnichtの位置について 4.動詞の性質によるnichtの位置について 5.文否定においてnichtを後置する副詞類について 6.文否定においてnichtの前置、後置ともに可能な副詞類について その結果、否定の適用範囲と焦点範囲という概念で説明することのメリットとして次の点にある。 ・副詞類をめぐるnichtの位置については、文否定と部分否定の問題が絡んで規則が煩雑であるが、終点範囲という概念を用いることにで説明が一義的となり、また文否定と部分否定の区別を持ち出す必要がなくなり、初心者にも分かりやすい。 ・長くなった目的格を否定枠から外して文末に後置する場合と2格目的語については、焦点範囲を用いた新しい説明でも例外と看做さなければならない。 ・コブラ動詞や述語動詞など動詞の性質に応じて対応する述語内容や目的語、前置詞句の前にnichtを置く場合については、まず学習者自身にこのような性質への理解が求められ、焦点範囲で説明しても難しいことに変わりはない。
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