研究概要 |
平成22年度は,本研究の基盤となる母語である日本語の文処理について,照応形のタスクを用いてfNIRS実験およびfMRI実験を実施した。この実験結果に基づき,平成23年度に,外国語としての英語の文処理の実験を行い,結果を比較検討する予定である。 年度前半では,fNIRS・fMRI両実験共通のタスク作成を行った。その際,タスクに使用する実験文の妥当性に関するオフライン実験を,年度後半での本実験とは別の被験者で実施し,不適切と思われる文を排除した。また,fMRI実験については,実験に要する施設の準備を行った。 年度後半では,fNIRS実験に関しては,日本語母語話者16名(男性12名,女性4名)に対し,日本語の語のタスク(1試行4単語を与え,そのうち同一の語が2つ含まれているか否かを判断するタスク)および文のタスク(照応形「自分」を含む文と含まない文における正誤判断を行うタスク)を行った。また,fMRI実験に関しては,日本語母語話者25名(男性14名,女性11名)に対し,同タスク(文と語)を行った。 両実験とも,結果を解析中である。fNIRS実験に関しては,本研究の趣旨であるfMRI実験との連携を重視し,従来,fNIRSの特徴に合わせて実験をプロックデザインとすることが多かったところを,fMRIで広く採用されているイベントリレーテッドデザインとしたため,解析手法を新たに構築する必要性が生じ,検討中である。fMRI実験に関しては,解析ソフトSPM5を利用した解析を進めている。
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