研究概要 |
【研究の目的】 理工系の分野では,communication skillsが重要視されているが,特に英語による口頭発表に関する教材については,執筆者の経験則に基づいたものが多く,定量的データ解析に基づいた教材はない.その結果,研究者が必要とする論理的情報発信能力を醸成する教育法が存在しないのが現状である.本研究では,理工系分野における日本語および英語による口頭発表のコーパスを構築し,口頭発表のsentence levelおよびdiscource levelの言語特徴を特定し,定量的データ解析に基づいて専門日本語教育および専門英語教育を統合した教育法の開発を目的としている. 【研究方法】 日本語による口頭発表は,工学研究科の複数の専攻にて修士課程を修了する学生から,本研究課題がスタートする以前にすでに収録していた.英語による口頭発表については,国際学会にて平成19年度に収録した後,アメリカの大学にて工学部の学部生から平成22年度に収録した.平成22年度以降,収録した発表内容を書き起こして解析し,各文にmoveタグを付けた. 【研究成果】 タグ付けされた書き起こしファイルをJECPRESE(The Japanese-English Corpus of Presentations in Science and Engineering, http://www.jecprese.sci.waseda.ac.jp/)にアップロードして公開した.これによって全世界の研究者が口頭発表を準備する際にJECPRESEサイト上でword/expression(sentence level)およびmove(discourse level)を指定して検索し,本研究で収録して解析した口頭発表内を参照することができる.
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