研究概要 |
目的1について そのシステムを使うことで、学生が個々のレベルに合ったreaderを選んだり、クイズを受けたりすることが可能になる。又、中央データベース(http://moodlereader.org)からダワンロードすることで、約1500冊の市販readersに対するクイズを個々の教員が作成しなくても、シェアしたり、追加したりが可能になる。 平成19年度から開発中のMoodleReaderModuleの機能を平成21・22年度,には更に充実して国際規模で利用できる様にした。本研究者以外に、日本、韓国,イラン等で約30名の大学教員がgraded readerのクイズの作成に協力した。平成23年3月現在およそ20カ国、80校の教育機関で15000人を超える学生がこのシステムを利用している。 目的2について 2010年2月には,コア科目履修者(一年次生)ほぼ全員を対象に学年度末の統一試験を行った.前年度同時期の同一のテストと結果を比較すると,履修者全体では12.1点から15.7点へと平均点が上がり,どの学部においても前年度より読解力のスコアに大幅な向上(p<0.001)が見られた.2008年度と2009年度の入学生はプレイスメント・テストのスコアなどから,入学時の英語力に有意な差がないことがわかっており,カリキュラム上の変更もなかったことから,このスコアの向上は多読学習の導入によるものと考えられる. 学期末に行った学生対象の自分の多読学習経験についてのアンケート(約1300人が回答)によると,「かなり易しい」,「かなり難しい」と答えた学生はわずか10%以下であり,67.3%の学生が多読学習を面白いと感じていた.この結果により,多読学習を進めるにつれて,多くの学生が自分のレベルにあった英語で書かれた本を読むのは楽しいと認識していることがわかる.
|