昨年度に引き続き、すでに調査済みの職種について動画を増加させるとともに、授業において、昨年度加えたヒューマニスティック・ランゲージ・ティーチングを用い、教室を一つの社会とするコミュニカティブティーチングを行った。作成した動画のオリジナル版の方が長時間に渡るものであるため、オリジナル版をDVD等に焼き、学習者に渡し、リスニング等の学習に役立てさせた。また、英語の必要性について調査済みの職種は、動画作成を待たずしてテキストベースでアップデートして多様性に富んだ職種の英語使用実態について掲載することで、学習者の英語学習とキャリア教育の連動を強化した。 英語使用調査について本年度新たに行った試みがある。それは、日本で働く中国人元留学生にインタビューを試み、日本語と中国語だけで日本での仕事が可能かどうか、言い換えれば、英語は中国語に比べてどれぐらい重要であるのか尋ねてみた。日本語と中国語ができても、仕事では英語を主に使うという回答を得たため、そのうちの数人にインタビュー取材を行い、動画に収録した。この動画により、日本における英語使用の重要さをさらに強く伝えることができたと考える。 上記成果を含む本研究について、中国の吉林大学から同大学の英語教員に向けた講演を依頼され、行なった。講演は外国語以外の専攻学科の教員向けのもので、同国の大学において外国語専攻以外の学生に最近見られ始めるという英語学習のモチベーション低下に歯止めをかける効果的な方法であると高評価をもらった。本研究は、日本のみならず、日常生活で英語を使用せず、英語を外国語として学習する国々の学生にも、将来の具体的な英語使用場面を見せ、英語を身近なものと認識させることによって、学習のモチベーションを向上させ得る効果的な方法であるという認識に至ることができた。
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