研究課題/領域番号 |
21520610
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
八島 智子 関西大学, 外国語学部, 教授 (60210233)
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研究分担者 |
吉田 信介 関西大学, 外国語学部, 教授 (50230743)
竹内 理 関西大学, 外国語学部, 教授 (40206941)
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キーワード | 海外留学 / 外国語学習 / 異文化適応 / ICT / 第二言語習得 |
研究概要 |
本研究の目的は、英語教育の観点から、1)留学を通して英語力のどのような側面が強化されるのか、2)どのような能力やスキルをもった学生が海外の大学での学習に適応し、成果をあげることができるかを分析すること、3)留学中に英語力を向上するための自律的な学習ストラテジーと、その指導法について検討すること、さらに社会心理学・コミュニケーション学の観点から、4)留学を通して、学習動機や態度、外国語でコミュニケーションをはかる意欲や自信、コミュニケーション不安などがどのように変化するかを測定することである。最終的には、これらのアセスメントに基づき支援や教育のありかたについて検討することを目的とする。2011年度は留学中に学習方法や学習の進捗状況、生活状況についての報告を、継続的にウェブ上のサイトに提出させることにより質的データを収集した。また、2011年の2月に留学後調査を実施し、量的データも収集した。帰国直後の調査では、自己評価の英語力(Can Do)や、学習動機や異文化への態度、コミュニケーション不安などの変化を把握するための質問紙を実施した。2年連続して同じ調査を行うことにより、ボリュームのあるデータ解析を行うことができた。これまでに分かった結果としては、英語標準テストにより測定した英語力が有意に伸びたこと、それと反して、Can Doテストの評価が有意に下がっていることが示された。実際の英語力の伸びにもかかわらず、自らの英語力の評価に厳しくなっていることが伺える。今後、1)留学により変化した心理的側面を明らかにする。2)出発前にどのような傾向を示した学生が、学習効果、適応などの面で問題があるのか、あるいは順調な伸びを示すかを、相関分析、重回帰分析によって量的に示すと共に、留学中の記述内容の特徴を分析する。すでに、調査から見えてきた課題に基づき、海外での講義科目の受講に備えた外国語能力の訓練や意見を表明するスキルの習得など、留学前教育に提言を行っている。
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