本研究は、学習指導要領の改訂により小学校高学年において外国語活動が導入されたことを受けて計画され、教育現場への支援を目的とした教員免許更新制更新講習の実施に向けた研究であった。 本研究の目的は、第一に、スウェーデンにおける英語教育の現状分析と教材開発、およびその成果をもとにした研修方法と研修内容について検討すること、第二に、本学において研究・開発された成果を小学校の教育現場に提供し、広く活用できるようにしていくために報告書を作成し、広く本研究の知見を公開することも目的とした。スウェーデンにおける英語教育の現状分析については、これまでに得られた資料を分析し、論文としてまとめた。その成果をもとに、平成23年度更新講習では、「小学校英語」講座を担当し、教材の開発及び指導方法について検討した。その結果、昨年度までと同様に、事前の課題意識調査では小学校における英語教育への対応について地域差が見られること、個人的な対応の面においても差が見られることが示された。したがって、受講者の特性によって、本講座の内容や本講座が目指す到達水準において受講者が感じる難易度に大きな差が見られた。しかしながら、理論的な学習だけではなく、ネイティブスピーカーが参加した実習および小学校で実施されている現職教員による英語教育の実践例の紹介は受講者から評価が高く、理論と実践を交えた講習の開発が重要であると思われた。 以上の結果から、今後も小学校教員の現状や課題意識を踏まえた講習内容の開発が必要であることが示唆された。今後、小学校教員養成課程を有する大学として理論と実践を伴った講習内容を開発することが本研究の意義であると考える。
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