研究課題/領域番号 |
21520614
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
正木 美知子 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (80229351)
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研究分担者 |
久留 友紀子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00465543)
金志 佳代子 兵庫県立大学, 経営学部, 准教授 (20438253)
大年 順子 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (10411266)
山西 博之 関西外国語大学, 短期大学部, 講師 (30452684)
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キーワード | 教育評価 / 測定 / ライティング / ルーブリック |
研究概要 |
私たちは、日本の大学・短大に於けるライティング評価のためのルーブリックを開発し、教室での有用な運用法を探ることを目的として一連の研究を行ってきた。それらの研究の積み重ねの中からルーブリック2008が生まれた。そして、2009年度には、それを使って5名の研究者が30篇の英作文を評価し、ルーブリック2008における問題点を探った。その結果、descriptorに規定されている表現に基づく絶対的な評価ができることに加えて、特定の学習者グループ内での相対的な評価をできるようにする必要があること、実際に与える評価の幅が狭くなりすぎる傾向があること、評価にdimensionの下位項目と思われるものの影響があることがわかった。これらの問題点を解決するために、各dimensionにおいて、下位項目を特定しなおし、descriptorにおいては、レベル分けをせず、下位項目毎に望ましいスタンダードを示すこととした。このようにしてできたのが、ルーブリック2009である。このルーブリック2009の信頼性を検証するために、ルーブリック2008とルーブリック2009の比較を試みた。学生の英作文30篇を研究者5名が、両ルーブリックを用いて評価し、評価の根拠を回顧的に記録した。その後、一般化可能性理論を用いて両ルーブリックの信頼性を検討した。その結果、ルーブリック2009はルーブリック2008よりも、より明確に作文能力の異なる側面の測定に成功したこと、さらに評者間の評価項目に対する解釈にぶれが少なくなったことが確認された。このことは、ルーブリック2009においてレベル分けを廃し、評価項目の下位項目のスタンダードを記述するという変更を行った結果であると考えられる。
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