本研究の目的は、このPredictable Input/Outputの概念に基づく英語教育プログラムをコンピュータのオンライン上に開発し、その有効性を実証することである。英語教育プログラムをオンライン化することで、家庭学習が容易となり、教育現場が抱える「学生の学力差」を少しでも埋めることができればと考える。 平成21年度から23年度までの目標は、本研究の有効性を納得させ得るだけの材料をコンピュータ上に作り出すことである。具体的には、いままで研究を行ってきたPredictable Input/Outputに基づく英語教育教材をコンピュータ上に開発し、それを授業および家庭で実践することである。これにより、学生が日々英語に触れる時間がコンピュータ上に残り、学内で行われるTOEIC-IPテストを基準に具体的な英語力の効果検証を測る。 平成22年度はTOEICのReading対策を中心に授業に取り入れ、英語授業はさらに活気付いた。現在開発中のCAI教材導入により、授業では個人指導が難しかったListeningとReading、さらに単語指導に関して、学生はゲーム感覚で英語に触れながら量的なものを体得することができた。これはTOEICスコアにも現れ、1年間の経年変化では平均33.8ポイント(n=175)の上昇、特に5ポイント以上上昇した114名(研究代表者金澤の担当学生数の65.1%にあたる)の平均スコアは71.7ポイント上昇した。 これにより、材料が整い、教材を作成しWeb化し、改良点も出てきた。平成23年度には「英語脳の創り方」、「TOEICAコース(奈良高専版)」、「TOEICBコース(奈良高専版)」というWeb教材も改良版が導入される。平成23年度には、この2年間の研究成果を国の内外に発表していく。
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