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2012 年度 実績報告書

第二言語読解における推論活性化ユニットの特定と心的表象構築プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21520632
研究機関筑波大学

研究代表者

卯城 祐司  筑波大学, 人文社会系, 教授 (60271722)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワードリーディング / 状況モデル / 心的表象 / 推論 / 活性化 / 符号化 / 因果ネットワーク
研究概要

本研究は日本人EFL学習者を対象に、文の構成要素からどのように心的表象が構築されるのかを明らかにすることを目的とした。最終年度は、前年度までの研究成果を統合し、日本人学習者の心的表象構築プロセスに基づく読解指導法を提案することが目標であった。以上の研究課題を軸に研究成果を考察した結果、次の3点が明らかとなった。
(1) 推論の活性化:学習者は、テキスト情報間の関係性や後続の内容に関する推論を、テキストの因果関係に基づき単語ユニットで活性化する。活性化の度合いが強い橋渡し推論は読解中に活性化される一方で、予期的推論は活性化までに時間を要する。また、テキスト情報間の因果関係に基づく推論の活性化が必要である時、読み手は命題ユニットで推論を活性化する。
(2) 推論の符号化を通した心的表象の構築:学習者は活性化した推論とテキスト情報を統合することにより、一貫した心的表象を構築する。単語ユニットで活性化した橋渡し推論と予期的推論は、読解後に読み手の理解に符号化され、テキスト情報とともに読み手の心内に組み込まれる。命題ユニットで活性化された推論については、熟達度の高い読み手は、テキストに含まれる命題間の因果関係をモニターし、それらを正しく結び付けて心的表象へと符号化していた。
(3) 心的表象の更新:学習者は、一度構築した心的表象の適切性をモニタリングし、誤っていると判断できる個所があれば修正を加え、首尾一貫性のある頑健な表象へと修正を行う。このプロセスには上位レベル・下位レベル両方の読解スキルが関わっている。また、どちらのスキルが更新プロセスに必要になるかについては、テキスト構造の影響を受ける。
一貫した心的表象の構築に、学習者の特性とテキストの特性が複雑な影響を与えていることが明らかになり、英語を指導する際の効果的な教授法や留意すべきことなどを考える上でも非常に重要な結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] How Japanese EFL readers revise their situation models: Focusing on reading skills and the causal structure of texts2012

    • 著者名/発表者名
      卯城祐司 (他6名)
    • 雑誌名

      ARELE (Annual Review of English Language Education in Japan)

      巻: 23 ページ: 105-120

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Activation and encoding of bridging and predictive inferences in EFL reading comprehension2012

    • 著者名/発表者名
      卯城祐司 (他6名)
    • 雑誌名

      JACET Journal (The Japan Association of College English Teachers)

      巻: 54 ページ: 33-52

    • 査読あり
  • [学会発表] 英文読解におけるグローバルな文脈情報を用いた未知語推論の検証: 語彙知識の「深さ」はなぜ必要なのか?

    • 著者名/発表者名
      卯城祐司 (他8名)
    • 学会等名
      第38回全国英語教育学会愛知研究大会
    • 発表場所
      愛知学院大学 (愛知県)
  • [図書] 英語リーディングテストの考え方と作り方2012

    • 著者名/発表者名
      卯城祐司
    • 総ページ数
      206
    • 出版者
      研究社
  • [備考] 電脳ゼミナール

    • URL

      http://www.u.tsukuba.ac.jp/~ushiro.yuji.gn/

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公開日: 2014-07-24  

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