研究概要 |
本年度は小学校外国語活動に対応した教員研修プログラムの基本的な枠組みを検討するために,以下の予備的な調査を実施した。 まず,平成21年5月に特定地域のALTを対象に異文化適応や日本の英語教育に関して直面している課題を幅広く自由記述形式のアンケート調査により,実施した。その結果,我々が過去において実施した調査で明らかになった主要な課題(ALTとしての役割のあいまいさ,職場での孤立感等)が依然として多くのALTから指摘されたこと,また,小学校勤務の場合と中学校勤務との場合で,認識する問題の性格に違いがみられるのではないかという点が明らかになった。 次に,教育行政担当者に対する面接を7月の段階で実施し,英語教育に関する教員研修の実態と課題とを把握することができた。とりわけ,調査対象とした地域では,地域間での外国語活動に対する温度差がある現状と校内での研修の充実度に学校間による差がみられることが明らかになった。 一方の当事者である小学校教員については,アンケート調査による量的な調査と並行して,可能な限り授業観察等の機会を得,その際には,面接調査も実施した。これらの予備的な調査により,今後の教員研修プログラム構築上の課題として(1)小学校教員とALTとの共同により外国語活動の計画の在り方の検討,(2)小学校教員の英語運用能力の具体的な内容とその養成のための方法の検討等,次年度の研究課題として見えてきた。
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