<研究目的> 本研究は、英語を日常的に使用するような環境にない日本のような状況下で英語学習をする際に効率的に英語学習を進めるための方法として、学習者にアウトプットをさせることに重点を置いた教授法の有効性について研究を行っている。日本の文化や観光資源を発信することを通じて学習者に恒常的に英語を使用させることで英語力の向上を図ることを達成しようとするものである。大学が京都にあることを活用し、有名観光地での調査を根幹にすえて行う。 <具体的内容> 本研究においては、研究目的でも述べているように、学習者が能動的に英語授業に参加することが基本理念の一つとなる。そのため、学習者が興味や関心を抱く観光地へ自ら赴き、現在どのような観光案内がなされているのかを調査することから、開始することになる。 平成22年度は、平成21年度と同様の学習フローで発信型の「観光英語」テキスト作りを進めるが、2年目にあたる本年度は目的意識を一歩進めて現地調査対象地域は有名寺社ではなく、より地域に密着した場所や文化を取り上げた。つまり学生たちには以下のテーマに沿ってグループ学習を行わせた。映画村、マンガミュージアムといった建造物、祇園界隈の風情ということから舞妓や和風スイーツ、清水焼、また、枯山水、宇治茶、下駄、華道、といった京都に滞在し魅力を感じる場所やテーマを学習することとなった。授業担当者である金川から文化や伝統といったことについてあらかじめ講義を数回行ったうえで、グループ毎にテーマを決定し、現地調査を実施させたものである。調査した内容については、英語での発表原稿を書かせ、グループ毎に英語でのプレゼンテーションを行い、相互に評価する方式を取り入れることで、発表を聴くことにも積極的に参加させることができたと考えている。英語の発表原稿を書くという作業を通じて英語を使うことを全受講生に課せられたことはある一定の効果をあげたといえよう。平成21年度の研究結果とあわせ、より効果的な学習方法構築のために一層工夫をこらしていくつもりである。
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