平成22年度には、(1)資料調査、(2)資料整理、(3)セミナー開催の3領域にわたる活動をおこなった。 (1)資料調査 昨年度に引き続き、国立国会図書館憲政資料室で「満洲引揚げ」にかかわる資料の調査をおこなった。同室所蔵「片倉衷文書」との関連で滋賀大学経済経営研究所所蔵「満洲引揚資料」の全体像をあきらかにする作業を進めている。また、国会図書館等で、刊行された「満洲引揚げ」の体験記や聞き取り記録の調査も始めた。 (2)資料整理 前記「満洲引揚資料」の詳細目録を作成するとともに、あらたに「満洲」と「満洲引揚げ」にかかわる図書・資料の寄贈をうけ、それらの目録作成を始めた。平成22年4月寄贈が図書およそ200点、平成22年年12月寄贈の図書と資料が29箱分となる。これらの寄贈図書・資料を公開することにより、滋賀大学経済経営研究所が「満洲引揚げ」にかかわる歴史資料の調査・研究の1つの拠点となるとの意義がある。 (3)セミナー開催 「満洲引揚資料」の活用について議論するセミナーを、(1)大学が所蔵する歴史資料の活用について、(2)「満洲移民」と「満洲引揚げ」の実証研究についての2つの観点から開催し、その成果を別記ペーパーや滋賀大学経済経営研究所のウェブサイトをつうじて公開した。
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