本研究では、兵庫県域を中心とする近畿エリアにおける地域史料の分析を通して、地域の歴史的景観・地域秩序の形成にその地域独自の災害文化が深く関わっていることについて一定の解答を得ることを最大の目標に据えてきた。 研究最終年度だった平成25年度は、これまでに行ってきた調査・研究を総括することを中心に据えた。2013年12月には、研究代表者・木村および共同研究者・松下に加え、研究協力者・森元純一氏(岡山県和気町教育委員会)、河野未央氏(尼崎市立地域研究史料館)、井上舞氏(神戸大学)を交えて総括研究会を開催した。 また、これまでに調査を行ってきた地域において、本研究の成果を還元すべく講演会を開催した。具体的には、4月21日に丹波市山南町金屋地区、および11月24日に同市氷上町香良地区において、それぞれ公民館を会場として開催した。金屋地区では「古文書からみた金屋の江戸時代」、香良地区では、「江戸時代の香良村字向島をめぐって」と題した講演を木村がおこなった。 さらに、補足的なフィールド調査を実施した(4月30日~5月1日丹波市域、6月10日~11日奈良県大和盆地周辺、2月17日~18日丹波市域)。 これまでの成果を総合すべく、報告書をまとめた。
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