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2009 年度 実績報告書

古代首都の公共領域に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520681
研究機関京都府立大学

研究代表者

櫛木 謙周  京都府立大学, 文学部, 教授 (60161626)

キーワード首都 / 公共域 / 清掃 / 京職 / 検非違使 / ハラエ / 除災 / 重層性
研究概要

本研究は、日本古代の首都社会における公共領域の特質を、行政的側面と祭祀・儀礼的側面との両面から統一的に理解することによって、当該期の国家による身分制等の社会編成に与えた影響を具体的に明らかにすることをめざしたものである。
初年度の平成21年度の研究としては、上記の両側面に関わる首都の公共的問題として死骸の処理も含む「清掃」の問題を取り上げ、以下の点が明らかになった。
1.中国思想の影響をうけて、儒教的な徳政の一環として行われた災害等による死者の埋葬についてはこれまでまとまった研究がなかった。史料を総合的に検討した結果、8世紀においては観念的性格が強かったが、9世紀には相対的に実質的な意味を増すことがわかった。
2.清掃に携わる官職として、首都においては8・9世紀には京職が中心であったが、10世紀以後は検非違使に中心が移る。この背景には、首都の秩序が国家の秩序と連動する度合が前代より増したことと密接な関係があるという論点を導き出すことができた。今後はこの点をさらに他の面から検証する必要がある。
3.神社が国家秩序維持装置としての性格をもっていることは既に指摘があるが、それに対する清掃の史料を検討することによって、除災のハラエなど国家の秩序維持の宗教的行為などとも密接な関係をもって行われていたことが判明した。
以上より、中国的な徳政思想や災厄の除去という公共性を体現する諸イデオロギーが古代国家のもとで重層的に存在したことが明らかになり、今後の研究の見通しを得ることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      櫛木謙周
    • 雑誌名

      律令国家史論集(塙書房)

      ページ: 227-248

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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