本年度は昨年度に引き続き読解のための研究会を、4月28日、5月26日、6月30日、7月28日、10月27日、11月17日、12月8日、1月26日に行った(3月16日にも予定したが東日本大震災の影響で中止)。その結果井戸村文書(中村林一氏所蔵文書)と『歴代古書年譜』(智)についての一応の解読作業を終え、『歴代古書年譜』(仁)についても、20点に関して、一応の解読作業を完了したところである。 また9月5日~7日にかけて、出張調査を行った。第一に研究会での解読の結果を踏まえて、写真のみで判読できない裏書や、端裏書について原文書で確認するために長浜城歴史博物館で、前年度に撮影した史料を再度閲覧した。第二に滋賀大学附属史料館で、同じ北近江地域の在地史料として、柏原共有文書、福永家文書、栗見新田共有文書、川崎家文書、金堂共有文書を撮影し、地域と時代を同じくする在地文書に関するデータを参照する環境を整えた。このうち、福永家文書の一部については、すでに翻刻作業を行い、解読の便宜としている。
|