研究課題/領域番号 |
21520686
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
神田 千里 東洋大学, 文学部, 教授 (30177761)
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研究分担者 |
白川部 達夫 東洋大学, 文学部, 教授 (40062872)
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キーワード | 中近世移行期 / 土豪 / 村落 |
研究概要 |
本年度も昨年に引き続き、読解のための研究会を4月28日、5月25日、6月22日、7月13日、10月26日、11月30日、12月21日、1月25日、3月14日に行った。これは昨年度に研究協力者に分担依頼して作成した翻刻下原稿を、改めて研究代表者、研究分担者、連携研究者、及び研究協力者ら全員で、写真と突き合わせながら、読みの妥当性を検討するものである。本年度9回の研究会の結果、『歴代古書年譜』(仁)の読解作業を進め、9点を残して、翻刻原稿の検討を終了した。これらは従来刊行されたことのない史料であるため、新史料を刊行するという本研究の目標にかなり近づいたといえよう。また本年度には、井戸村氏と関連の深い記録である『嶋記録』のうち、かつて小和田哲男氏が翻刻した内閣文庫所蔵のものではない、百々保氏所蔵の二本の写本の翻刻にとりかかった。そして二本とも、研究協力者への業務依頼によって、翻刻原稿が完成した。今後詳細な検討と、またすでに翻刻本のある内閣文庫蔵の写本とを突き合わせて再検討するという作業が残っているものの、これも井戸村氏関係史料の研究として順調な成果であると考えられる。また同様に井戸村氏と関連の深い、『妙意物語』の東大史料編纂所謄写本と、彦根市個人蔵の写本とを翻刻を研究協力者への業務依頼により行った。前者については翻刻下原稿が完成しており、後者は予算の関係で未完成ではあるが、3分の2以上が終わっており、これも井戸村氏関係史料の研究成果として一定の進展をみたものといえよう。従って『歴代古書年譜』(勇)の翻刻が残っている点を除けば、ほぼ所期の成果達成に近づいているといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ『歴代古書年譜』(勇)の翻刻下原稿の検討が残っている。これは近世の書状など116点であり、相当な分量が今後の課題として残っているのは確かである。しかし一方これらは従来の翻刻はなく、また『歴代古書年譜』(仁)が検討中に、きわめて難解なものであることが判明したにもかかわらず、終了に近づいていること、また当該期間に関連史料の翻刻下原稿を作成したことを考えれば、作業は十分進展しているといえる。さらに今後最終年度に計画している、研究会(合宿)による集中的な検討が実現すれば、『歴代古書年譜』(勇)の翻刻下原稿検討が完成する可能性は十分にあると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
先にも述べたように『歴代古書年譜』(勇)の翻刻下原稿の検討のために、2泊3日程度の研究会を予定している。
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