井戸村文書中の『歴代古書年譜』の最終巻(勇)の解読を行った。そのために東洋大学にて4月25日、5月23日、6月27日、7月25日、10月24日の五回にわたり研究会を行い、さらにそれら研究会のみでは解読作業が完了しないことは明白であるため、9月10日~12日までの3日間、「かんぽの宿福井」(福井市)にて合宿を行い、集中的な解読作業を行った。その結果『歴代古書年譜』勇巻の文書116点総てを解読することができ、平成21年度から行ってきた『歴代古書年譜』智巻、仁巻双方の文書215点の解読作業と合わせて、『歴代古書年譜』所収の文書総ての解読を終えることができた。これにより現存する「井戸村文書」のうち6点を除き、長浜城歴史博物館に所蔵される井戸村家関係史料が総て解読されたことになる。 以上の解読結果を暫定的に記録すべく、『歴代古書年譜』三巻の翻刻プリントを作成した。まず智、仁、勇それぞれの翻刻結果に基づき、長浜城歴史博物館で既に作成されていた目録の文書名の検討を行い、その結果修正された文書名に従って目録を作成した。次にその目録に基づいて、再度智・仁・勇それぞれの翻刻の再検討を経て、目次10頁、翻刻131頁に及ぶプリントを作成し、研究分担者、連携研究者、及び解読作業に加わった研究協力者それぞれで保持すると共に、これまで同史料を用いて研究業績を発表している研究者に私的に配布し、さらなる改善を期している。
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