研究課題/領域番号 |
21520695
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
本郷 真紹 立命館大学, 文学部, 教授 (70202306)
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研究分担者 |
山本 崇 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (00359449)
毛利 憲一 平安女学院大学, 国際観光学部, 准教授 (00425026)
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キーワード | 『日本霊異記』 / 歴史地理学 / 日本古代史 / 仏教史 / 説話集 |
研究概要 |
平成21年度は、研究期間の初年度にあたり、以下のような調査・研究を行った (1)『日本霊異記』上巻の説話を逐次検討した。年度中に研究会を9回(うち1回は合宿)、立命館大学朱雀キャンパスなどで開催した。各縁担当者が底本とする興福寺本の写真版及び対校本を用いて本文を校合し、古代史・仏教史・歴史地理学的な視角よりする注釈を付した報告を行い、研究会メンバー(研究代表者・分担者・協力者)で討議を行った。これまでの注釈書や研究になかった視点からの解釈を数多く提示でき、また本文翻刻・訓読についても、写真版を用いることで数々の発見があった。 (2)上巻については3縁を残して註釈作業を終えた。そこで次年度以降に注釈書刊行準備に入るため、出版社との打合せを行い、大まかな体裁・スケジュールなどを決定した。 (3)『日本霊異記』に登場する地名・寺院名について、当該地の歴史地理的調査に基づく現地比定を研究目的に挙げているが、今年度は北陸方面(石川・富山)において、代表者・分担者・協力者が参加して現地調査を行った。特に『霊異記』に登場する山林寺院「三千寺」の故地とみられる金沢市の三小牛ハバ遺跡を訪ね、金沢市埋蔵文化財センターにて、同遺跡出土の木簡・墨書土器などを観察した。また『霊異記』に見える越前国加賀郡畝田村の故地にある遺跡を訪ねた。さらに石川県立歴史博物館では、学芸員より近年調査の進んだ当該地域の古代の仏教関連遺跡についてレクチュアを受けた。この他、発掘調査中の石川県内の山林寺院跡、石川県・富山県の古代以来の寺院・神社、遺跡などを踏査した。(10月12・13日) (4)奈良県大和郡山市でフィールドワークを行った。特に額田寺条里並伽藍図の故地を踏査し、古代の村落や池・溝・寺院などについて知見を深め、文献に登場する地名・寺院等の現地に即した理解に役立てることができた。(11月7日)
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