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2011 年度 実績報告書

『日本霊異記』の文献・書誌及び歴史地理的検討による古代社会像の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 21520695
研究機関立命館大学

研究代表者

本郷 真紹  立命館大学, 文学部, 教授 (70202306)

研究分担者 山本 崇  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (00359449)
毛利 憲一  平安女学院大学, 国際観光学部, 准教授 (00425026)
キーワード『日本霊異記』 / 歴史地理学 / 日本古代史 / 仏教史 / 説話集
研究概要

平成23年度は、研究期間の最終年度にあたり、以下のような調査・研究を行った。(1)『日本霊異記』上巻及び中巻の説話を逐次検討した。今年度は11回の研究会を立命館大学朱雀キャンパスで開催し、中巻第27縁までの検討を終えた。各縁担当者が底本とする真福寺本の写真版及び対校本(来迎院本・国会図書館本・群書類従本)の写真版を用いて本文を校合し、古代史・仏教史・歴史地理学的な視角よりする注釈を付した報告を行い、研究会メンバー(研究代表者・分担者・協力者)で討議を行った。(2)昨年度中にすべての註釈作業を終えた上巻については、注釈書刊行のために専門研究者の協力を得て、本文・訓読文などについて国語学的見地からの校閲を行った。また月々の研究会でフォローできなかったの注釈成果の点検作業を分担者・協力者があつまって集中的に行い、特に訓釈・校異について再検討を行った。注釈書の公刊はできなかったので、研究期間終了後の早い時期に刊行できるよう作業を進めたい。(3)奈良県内を中心に故地調査を行った。比蘇寺跡、雷岡、元興寺、大安寺などの故地周辺地域の踏査を行い、歴史的地理的環境の把握に努めた。(4)『霊異記』は下巻を中心に22の説話が古代紀伊国を舞台としている。そこで和歌山県の古代寺院跡を中心に故地を訪問した。訪問先は佐野廃寺(伊都郡かつらぎ町・中11「桑原狭屋寺」の跡地)、丹生都比売神社(伊都郡かつらぎ町)、紀伊国分寺跡(紀の川市東国分)と隣接の歴史民俗資料館、西国分塔跡(岩出市西国分)、北山廃寺(紀の川市貴志川町・下17「弥気山室堂」の故地との説が有力)、淡嶋神社(和歌山市加太・下32に関連する地域の式内社)、紀伊風土記の丘資料館、和歌山県立博物館、道成寺(日高川町・下33「別里」の故地にある古代寺院跡)、椒古墳(有田市・中1「椒抄奥嶋」に埋葬されたとする長屋王の墓に比定する伝承がある)。古代寺院跡では周辺の環境を確認し、遺跡の範囲、礎石などを観察した。資料館などでは出土遺物などを見ることができた。丹生都比売神社では高野山との関係について宮司から話を伺い、現代に続く神仏習合のあり方を間近に見ることができた。椒古墳では、案内いただいた有田市郷土資料館の西岡巌氏より、長屋王伝承の歴史と現状など興味深い話を伺うことができた。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 壬申の乱と飛鳥寺西の広場-小墾田兵庫をめぐって2012

    • 著者名/発表者名
      山本崇
    • 雑誌名

      明日香風

      巻: 122号 ページ: 8-13

  • [雑誌論文] 宝亀年間の対外政策と大宰府外交2012

    • 著者名/発表者名
      吉岡直人
    • 雑誌名

      立命館文学

      巻: 624号 ページ: 41-52

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東面北門周辺の出土木簡と宮内省・中務省2012

    • 著者名/発表者名
      山本崇(単著)
    • 雑誌名

      『藤原宮木簡三』(奈良文化財研究所史料第88冊)(責任編集・山本崇)(奈良文化財研究所)

      巻: 第88冊 ページ: 22-9

  • [雑誌論文] 平安時代の即位儀とその儀杖-文安御即位調度図考2012

    • 著者名/発表者名
      山本崇(単著)
    • 雑誌名

      立命館文学

      巻: 624号 ページ: 103-118

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 廃都後の平城宮-奈良時代末から平安時代初期までの平城旧宮2012

    • 著者名/発表者名
      山本崇(単著)
    • 雑誌名

      都城制研究(6)都城の廃絶とその後(奈良女子大学古代学学術研究センター編集・発行)

      ページ: 62-75

  • [雑誌論文] 二〇一〇年出土の木簡奈良・藤原宮跡2011

    • 著者名/発表者名
      山本崇
    • 雑誌名

      木簡研究

      巻: 33号 ページ: 15-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 一九七七年以前出土の木簡(三三)滋賀・北大津遺跡2011

    • 著者名/発表者名
      濱修・山本崇
    • 雑誌名

      木簡研究

      巻: 33号 ページ: 144-146

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 朝堂院朝庭の調査(飛鳥藤原第163次)2011

    • 著者名/発表者名
      若杉智宏・森先一貴・山本崇(共著)
    • 雑誌名

      奈良文化財研究所紀要2011

      ページ: 82-90

  • [雑誌論文] 紹介奥野中彦著『荘園史と荘園絵図』2011

    • 著者名/発表者名
      山本崇(単著)
    • 雑誌名

      日本史研究

      巻: 587号 ページ: 1-75

    • 査読あり
  • [学会発表] 平安時代の即位儀とその儀杖-文安御即位調度図考2011

    • 著者名/発表者名
      山本崇(単独)
    • 学会等名
      日本史研究会古代史部会
    • 発表場所
      機関紙会館(京都府)
    • 年月日
      2011-12-19
  • [学会発表] 2011年全国出土の木簡2011

    • 著者名/発表者名
      山本崇(単独)
    • 学会等名
      木簡学会第33回研究集会
    • 発表場所
      奈良文化財研究所平城宮跡資料館(奈良県)
    • 年月日
      2011-12-04
  • [図書] 日本史学を学ぶ2012

    • 著者名/発表者名
      本郷真紹, 他著
    • 総ページ数
      5-7,23-27,51-53,85-87,115-116
    • 出版者
      立命館大学文学部日本史学研究学域
  • [図書] 『藤原宮木簡三』(奈良文化財研究所史料第88冊)2012

    • 著者名/発表者名
      奈良文化財研究所(責任編集・山本崇)
    • 総ページ数
      図版67プレート、解説1-252
    • 出版者
      奈良文化財研究所
  • [図書] 「埋もれた大宮人の横顔-藤原宮東面北門周辺の木簡」リーフレット2012

    • 著者名/発表者名
      奈良文化財研究所都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)史料研究室(責任編集・山本崇)
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      奈良文化財研究所
  • [図書] 『訓読元亨釈書』上・下(全二巻)2012

    • 著者名/発表者名
      藤田琢司・編著
    • 総ページ数
      1630
    • 出版者
      禅文化研究所

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公開日: 2013-06-26  

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