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2009 年度 実績報告書

10-16世紀北インドのヴァナキュラリズムと国家

研究課題

研究課題/領域番号 21520715
研究機関名古屋大学

研究代表者

三田 昌彦  名古屋大学, 文学研究科, 助教 (30262827)

キーワードインド / 中世史 / 刻文 / 近世史 / ラージャスターン / グジャラート / 城郭 / 地方語
研究概要

本年度は、本研究の目的である14・15世紀の転換を探るうえで基礎的な作業である当該期の刻文史料、とりわけ14世紀以降のヴァナキュラーな地方語銅板文書の収集を開始するとともに、同時期に大きな変化を見せる城郭史の研究に着手した。具体的には以下の通り。
・近年、Google Mapの精度が上がり、インドのほとんどの地区の詳細な衛星写真が入手できるようになったため、これまで精確な図面作成がほとんど行われてこなかったラージャスターンの城郭プランがかなり鮮明な形で見ることができ、しかもラフではあるが標高まで判別できるまでになった。全く調査が入っていない城砦まで比較できるようになったことの意義は大きい。報告者はこれを利用しつつこれまでの城郭史研究を整理して、当該期に建造されたラージャスターン、グジャラート、マディヤプラデーシュの城砦の城郭プランを比較した。その結果、13世紀以前のこの地域の城砦のほとんどが山上城砦であり、16世紀になると山麓に宮殿を構えて麓の都市を城郭化する傾向が見られることが判明した。これはおそらく14・15世紀の転換と無関係ではない。その成果は、8月に中部南アジア研究会において「インド中近世城郭史研究序説」として報告した。
・2~3月の3週間、ラージャスターン東南部の城砦、マンダルガル、ブーンディー、チットールガルの実地調査を行い、上記の研究を補足した。またこの調査において、Sahitya Samsthanにおいて3通の地方語銅板文書を撮影し、テキストを作成するとともに翻訳した。13世紀以前のサンスクリット文書とはかなり異なる書式を有することがわかり、今後その変化の意味を問うことになろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 書評 : 水島司『前近代インドの社会構造と社会空間』2009

    • 著者名/発表者名
      三田昌彦
    • 雑誌名

      南アジア研究 21

      ページ: 191-197

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中世初期ラージプート王朝の起源伝承(9世紀)ほか2009

    • 著者名/発表者名
      三田昌彦
    • 雑誌名

      歴史学研究会編『世界史史料2』岩波書店

      ページ: 48-53

  • [学会発表] インド中近世城郭史研究序説 : ラージャスターンを中心に2009

    • 著者名/発表者名
      三田昌彦
    • 学会等名
      中部南アジア研究会
    • 発表場所
      名城大学
    • 年月日
      2009-08-01
  • [図書] 接続された歴史 : インドとヨーロッパ2009

    • 著者名/発表者名
      S・スブラフマニヤム(三田昌彦・太田信宏共訳)
    • 総ページ数
      355+21
    • 出版者
      名古屋大学出版会

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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