研究概要 |
本研究の研究目的は、唐宋変革論を、王朝の経済中心の地理的遷移と、王朝がその法制的制度によって解決しようとした対象の社会の変化から再理解することにあった。具体的には慶暦~王安石新法期の諸法が、江南のどの地域の問題を題材として議論されているのか、南宋道学者(朱子学者、黄震など)がどのような地域問題像を描いていたかを明らかにしつつ、宋の社会経済と法の関係を、唐以前および元・明清との比較において解明することを、目的としていた。 本研究計画期間中、資料調査等を行った成果として、「第1章 宋代抵当法の推移――景徳『農田敕』から南宋判語に至る非占有質関連規定をめぐって」 」古田和子編『中国の市場秩序―17世紀から20世紀前半を中心に』慶應義塾大学出版会、(2013年2月)、「「伊藤正彦『宋元郷村社会史論』」『史学雑誌』121-3, 2012, pp. 106-115 を執筆した。また、2012年6 月22 日に第四屆國際漢學會議において「江西有珥筆之民―試論中國近世裁判習慣的誕生」(中国語)、8月10日に戸隠の會において「「江南」宗族と女子分法問題 」(日本語)を、8月22日、中国宋史研究会第十五届年会において「考課、監司與監察」(中国語)を、研究成果として、発表した。
|