研究概要 |
本年度は、5年計画の第4年度目であった。昨年度に引続いて、これまでに調査により収集した「マニラ公正証書原簿」の整理・分析作業を継続するとともに、先行研究の検討を行った。 これまでの研究蓄積について、その成果発表の一環として、2012年10月28-30日の日程で、アメリカ・ミシガン州立大学(MSU, East Lansing, MI)で開催された第9回国際フィリピン研究学会(ICOPHIL-9)の第7セッション(10月29日)で、"Spanish Colonial Manila in Transition: Trade and Society at the Turn of the Nineteenth Century”と題する報告を行い、フィリピン研究について意見交換を行った。また関連して、2012年5月25日の第57回國際東方學者會議(東京)では、"Economic Life in Spanish Manila in the Transitional Period, ca. 1780-1820"を報告した。 また、フィリピン共和国マニラ首都圏のアテネオ・デ・マニラ大学で2013年2月8-9日に開催された、歴史学研究の方法・史料・意義をめぐる国際会議(Historiography and Nation Since Pasyon and Revolution)に出席し、最新の学界の知見をえ、意見交換を行った。なお、本年度は、校務等の関係から、本科研費での現地文書館調査を行えなかったが、上記の会議後、引続き1週間の日程で、関連史料の調査・収集を行うことができた。 また、本研究の成果の一部を、学内共同研究の成果と併せて「19世紀転換期におけるスペイン領マニアのコスモポリタン性」(「文化伝統の継承とアイデンティティ形成」研究プロジェクト報告書)として発表した。
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