研究概要 |
計画通り,安徽省博物館所蔵の賦役黄冊関係文書の閲覧を完了するとともに,文書史料の舞台となった現在の休寧県陳霞周辺地域の農業景観の現地調査を研究協力者(中国社会科学院歴史研究所研究員の欒成顕氏,安徽大学徽学研究中心教授の卞利氏,日本工業大学非常勤講師の楊纓氏)の協力のもとに連携研究者(鹿児島大学法文学部准教授の大田由紀夫)と行なった。調査費用等が多額にのぼったため,予定していた国内での中間報告会は開催することはできなかったが,賦役黄冊関係文書の記載データを整理して『万暦27都5図黄冊底籍記載データ』(A4サイズで約800枚にのぼる)を作成し,分析を進めた。その成果の一部は,2010年12月開催の国際学術会議「近代以前中国的社会与国家研討会」(台湾政治大学歴史系会議室)で「『萬暦徽州府休寧県27都5図黄冊底籍』初探」と題して報告し,報告論文を提出した。 研究代表者と連携研究者(鹿児島大学法文学部准教授の大田由紀夫,愛知大学文学部准教授の長井千秋)のいずれも各自の具体的な研究課題の分析を進め,最終年度の研究成果報告書作成の準備を整えており,2年目の目標を十分に達成することができた。
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