研究課題/領域番号 |
21520725
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中村 圭爾 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 副学長 (00047383)
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研究分担者 |
室山 留美子 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (20514029)
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キーワード | 地理書 / 隋書地理志 / 漢唐地理書鈔 / 漢唐方志輯佚 / 北朝墓葬 / 北朝墓誌 / 隋墓誌 / 都市居住 |
研究概要 |
代表者および分担者による初年度に予定した研究計画は、前者が研究課題に関する文献史料の収集に関する基礎作業、後者が考古学的資料の整理に関する基礎作業である。 前者については、『階書』経籍志の地理書の項に記載される署名を中心に、章宗源・姚振宗両者の『隋書経籍志考証』、新旧『唐書』経籍・芸文両志所載の地理書名を網羅し、これを従来の最も完備したとみられる地理書輯本である『漢唐地理書鈔』『漢唐方志輯佚』収集の佚文と対照する作業を進めた。特に『漢唐地理書鈔』は原書の半ばが失われており、本書に収集された地理書の全体像がこれまで明確でなかったため、今回の作業は、中国古地理と地域文化の重要研究史料である本書の内容を正確に把握することに資するところが大きいと思われる。また、各書の収録書の署名・巻数の差異なども明瞭にすることを得た。以上の作業は、地理署名対照表として、22年度中に印刷公表する予定である。 後者については、日中で2009年までに公表された北朝墓についての報告書及び関係論文を収集した。この成果は22年度中に整理を行い、北朝墓葬文献目録として公刊する予定である。また、隋時代の官僚の都市(長安・洛陽)居住と墓地設営の場所について分析し、地域意識分析の一視点の設定の試みとした。現在、大陸での考古学的成果は目覚ましく、既発表の北朝墓の情報を網羅した当目録の存在は、学界に大きく寄与できると思われる。さらに、北朝・隋代の墓誌について、収集と整理を行い、資料学的考察を進め、一部の成果を公表した。出土墓誌の分析作業は、考古学的資料の基礎的分析において不可欠であり、22年度中に学会において口頭発表を予定している。
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