研究課題
2010年度に北京関連の研究は主に資料調査、現地調査と研究成果の学会発表および論文の公刊からなる。(1)、中国社会史学会国際シンポジウムに「漕運港と清代北京の食料供給」という基調講演で清代北京市民の日常生活に関わる食糧供給の構造と備蓄・配分制度を報告した(中国山東聊城、2010年8月21日)。(2)、東京大学都市史研究センターラウンドテーブル「17-19世紀中国の都市と商人」に「北京の歙県会館一明清時代、徽州商人の北方拠点を中心に一」で北京の会館区域の社会経済機能、南方商人の活動と北方拠点の重要性について報告した(東京大学、2010年10月9日)。(3)、「18-20世紀の北京における下水道・糞尿処理にみる公共観」、(4)「胡同と排泄物処理システム」は、北京市民の日常生活におけるごみと糞尿処理に関するシステム、商業習慣と財産所有を明らかにした。(5)、「20世紀における北京前門地域の住民の歴史記憶調査(2)」と(6)「北京の精忠廟について」は北京庶民の日常生活と宗教、娯楽および都市の同業組織に関して現地調査と資料整理、研究を行なった。以上のように食糧供給、会館地域と外来者の活動、排泄物処理システムなどの側面から18-20世紀における北京の社会経済空間と市民の日常生活を考察して、構造的に社会経済の特殊空間を検出し、市民の日常生活の実態を描き出す試みを行なった。
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人文社会科学研究(早稲田大学)
巻: 51 ページ: 163-171, 173-194
東アジアにおける公共性の変容(慶応大学出版会)
ページ: 259-280
『伝統都市』4(東京大学出版会)
ページ: 161-184