2010年8月、研究プロジェクトのメンバーの研究会を新潟大学で行なった。研究代表者本彰、運携研究者丸畠宏太の報告を中心に「市民社会と国民国家、そして戦争」をめぐる研究状況の現在と今後の課題について、討議した。 2010年9月17日から21日まで、研究代表者松本彰、研究分担者森田直子、連携研究者丸畠宏太は、ドイツ南西部の調査を行なった。とくにフォイヒトヴァンゲンの合唱博物館・資料館、シュトットガルト近郊のジルヒャー博物館、ヘヒンゲンのホーエンツォレルン城、シュトゥットガルトのバーデン・ヴュルテンベルク州歴史の家を調査した。合唱博物館、ジルヒャー博物館は、19世紀のドイツの社会運動の中で重要な意味を持つ、男声合唱運動研究の中心になっているところで、博物館の展示も充実しており、研究スタッフの案内で、当時の協会運動の詳細を知ることができた。ホーエンツォレルン城は、プロイセン王室の源だが、18世紀には廃墟になっていた。再建されたのは19世紀であり、プロイセンと南西ドイツの関係を考える上では興味深い歴史的建造物である。バーデン・ヴュルテンベルク州歴史の家では、「ドイツ統一と南西ドイツ」を考察するための多くの手がかりを得た。 2010年度は、連携研究者北村昌史がベルリンに留学し、ブルーノ・タウト研究を行なった。その成果も、共同研究に生かしていきたい。
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