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2010 年度 実績報告書

リュクルゴス時代の公私関係 アッティカ法廷弁論の通時的考察をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 21520745
研究機関大阪大学

研究代表者

栗原 麻子  大阪大学, 文学研究科, 准教授 (00289125)

キーワードギリシア史 / レトリック / 公共性 / リュクルゴス / 刑罰 / フィリア / アテナイ / ソシアビリテ
研究概要

1. リュクルゴス弁論における共同体(コイノニア)認識を把握するために、報復と刑罰の関係についてさらなる考察をすすめた。今年度の成果としては、Danielle Allenの近年の主張に反して、報復をめぐる負の互酬性がリュクルゴス弁論にも根付いていたことを明らかにした。また、前4世紀のアッティカ法廷弁論において、恩恵(カリス)と報復(ティモーリア)の論理が、公私にわたる法廷での正当化の論理として普及していたことを確認した。
2. 互酬性に関連して、公的訴追の私的性格についてのドイツ圏における研究史を、19世紀末までさかのぼって確認した。
2. ヘレニズムへの移行期における公共性の連続性と変質を捉えるために、リュクルゴス時代の建築政策、宗教政策、公共奉仕や寄付行為(エピドシス)、懸賞行為にかんして、カイロネイア戦争後の時代状況とペロポネソス戦争後との比較をおこなった。
3. リュクルゴス時代との比較のために、ペロポネソス戦争後の「和解」についてまとめ、『古代文化』に特輯として掲載された。これは基盤研究(B)「東地中海周辺域における儀礼と都市共同体」を承ける企画であるが、代表者執筆部分にかんしては、前4世紀前半アテナイの社会的環境を描く試みとして、本研究の一部ともなる。
4. リュクルゴス弁論における市民生活の重視をより正確に描くために、前4世紀における市民の家の重要性について、アポロドロスのネアイラ弾劾における通婚禁止令に焦点をあてて考察し、その成果を『西洋古代史研究』上において発表した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「(書評)橋場弦著『賄賂とアテネ民主政』(山川出版社)2011

    • 著者名/発表者名
      栗原麻子
    • 雑誌名

      西洋史学

      巻: 238 ページ: 67-69

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 紀元前4世紀アテナイにおける通婚禁止令とアポロドロス弁論の女たち2010

    • 著者名/発表者名
      栗原麻子
    • 雑誌名

      西洋古代史研究

      巻: 第10巻 ページ: 23-42

  • [雑誌論文] 「思い出さない」誓いをめぐって2010

    • 著者名/発表者名
      栗原麻子
    • 雑誌名

      古代文化

      ページ: 56-70

    • 査読あり
  • [学会発表] A.Lannniの近著をめぐって2010

    • 著者名/発表者名
      栗原麻子
    • 学会等名
      西洋古代史研究会例会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2010-04-05
  • [図書] の比較文化史(「母」)2011

    • 著者名/発表者名
      田端泰子編・栗原麻子, 他著(共著)
    • 出版者
      ミネルヴァ書房(発行確定 未定)
  • [図書] ジェンダー史叢書 第1巻2010

    • 著者名/発表者名
      三成美保, 他編著・栗原麻子, 他著(共著)
    • 総ページ数
      79-82
    • 出版者
      青木書店

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公開日: 2012-07-19  

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