本研究の目的は、ホロコースト後のユダヤ世界において、ディアスポラのユダヤ人社会がいかにイスラエルを政治的・金銭的に支援したのかを解明することにある。当初は平成21~24年度の4年間で研究が終了するはずであったが、24年度に予定していたイスラエルへの渡航を国際情勢の変化のために見合わせたため、補助金の未消化が生じ、25年度へと繰越を行った。このため25年4月から10月までへと研究期間を延長した。繰越額は約26万円と少額であったため、主に図書の購入に充てた。 本年度(期間を延長した25年度)の研究は、主に前年度までに海外で収集した史料の整理と読み込みを中心とした。WEBジャーナルに2本論文を発表したほか、国内の学会で報告を行った。さらに、本研究を発展させる意図で、ホロコースト前後のユダヤ史を架橋する必要があるという、同じ研究意識を共有する研究者と勉強会を行った。本研究の問題意識と方向性は、平成26年度より始まった基盤研究C共同研究、「戦後ユダヤ世界の形成とパレスチナ問題の『否・解決』-学際的研究をめざして」(研究代表者:野村真理)に引き継がれている。
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