本研究は、アングロ・ノルマン期を対象として、支配者である君主権力の側のみでなく、地方の支配層である貴族たちの視点を中心にし、君主=貴族、そして貴族間相互の関係を、近年研究の進む証書史料を中心に利用しながら分析することを試みた。本研究期間において、証書史料の収集確認作業を継続的に行いながら、証書史料に見られる地方権力と君主権力の相互作用のあり方、ウィリアム征服王の証書史料に現れる証人リストの分析を試みた。また、研究の背景として、アングロ・ノルマン王国論とこの時代の貴族についての研究動向を整理することができた。
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