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2009 年度 実績報告書

東北大学の旧石器のアジア的位置づけ

研究課題

研究課題/領域番号 21520765
研究機関東北大学

研究代表者

柳田 俊雄  東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (40140462)

研究分担者 阿子島 香  東北大学, 文学研究科, 教授 (10142902)
キーワード考古学 / 東北大学 / 日本早水台遺跡 / 中国科学院古脊椎与古人類研究所 / 中国北京周口店15地点 / 中国許家窯遺跡 / 韓国全谷里遺跡 / 東アジア
研究概要

日本での研究は東北大学に収藏されている大分県早水台遺跡第8次発掘資料、同県岩戸遺跡の発掘資料、岡山理科大学と倉敷考古館に収藏されている長崎県福井洞穴資料、栃木市教育委員会に保管しいる星野遺跡第3次発掘調査資料についてデータの作成をおこなった。特に、早水台遺跡では石器類の図化作業、岩戸遺跡では年代的位置づけと再評価を行った。外国調査では、本年度は北京に所在する中国科学院古脊椎与古人類研究所で共同研究者の阿子島教授と訪問し、北京周口店第15地点と泥河湾許家窯遺跡の石器の資料化を進めた。また、北京原人のシンポジュウムで阿子島教授ととも早水台遺跡の研究発表をおこなった。中国の旧石器を観察した結果、早水台遺跡と両遺跡の資料は年代的に接近し、石英を素材とした石器製作に極めて類似性があることが判明し、大きな成果が得られた。この研究から約10万年前に日本と中国の華北地方では共通した石器製作が行われていたとが推定できた。12月に、柳田は訪韓し、韓国の北部を中心にソウルで漢陽大学が調査した全谷里遺跡、金坡里遺跡の旧石器等を観察した。また、春川市博物館で葛屯遺跡、江原文化財研究所でペギ遺跡の旧石器を写真での資料化をおこなった。これらの資料は約9万年前のものと考えられ、早水台遺跡の旧石器と年代的に接近していることが判明した。さらに、石英製のハンドアックス類を組成する点で早水台遺跡と共通していることも明らかにできた。以上のことから、東北大学に収蔵されている大分県早水台遺跡の資料は、東アジア地域の旧石器文化の中で発展・盛行したものと推定ることができ、日本の始原文化の起源と伝播を考える上で、重要な資料であることが判明した。今後、この他に本学が調査した星野遺跡・福井洞穴・岩戸遺跡の資料を東アジアの中で位置づけていくことも重要な研究である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 大分県岩戸遺跡における三調査の整理と再評価-本石器群の層位的事例と九州地方の旧石器時代編年-2010

    • 著者名/発表者名
      柳田俊雄
    • 雑誌名

      Bulletin of the Tohoku University Museum No.9

      ページ: 49-110

    • 査読あり
  • [学会発表] Research of the Early Paleolithic Industry discovered at the Sozudai site, Oita Prefecture, Kyusyu, Japan.2009

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Akoshima, Toshio Yanagida
    • 学会等名
      International Symposium on Paleoanthropology in Commemoration of the 80th Anniversary of the Discovery of the First Skull of Peking Man and the First Conference on Quaternary Research Asia.
    • 発表場所
      Beijing China
    • 年月日
      2009-10-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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