• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

関野貞による朝鮮古蹟調査の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 21520768
研究機関東京大学

研究代表者

早乙女 雅博  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (80150035)

キーワード関野貞 / 朝鮮古蹟調査 / 考古学史 / 新羅土器 / 伽耶土器 / 江原道 / 朝鮮考古学
研究概要

1910年に関野貞が調査した韓国江原道下詩洞古墳群から出土した完形の陶質土器の研究を、1997年に「江原道の土器と古墳」『朝鮮文化研究』第4号として発表したが、今回はそこからもれた東京大学大学院工学系研究科建築学専攻所蔵の関野貞採集の多くの土器破片を整理し、実測図作成、拓本、写真撮影を行なった。さらに新羅土器という観点から関連資料を調べるため韓国の釜山大学校博物館で慶州味鄒王陵地区の土器を調査し、慶州では発掘中のチョクセム地区の古墳を視察するとともに、江原道地域での新羅土器関係の発掘報告書を収集した。
その結果、関野貞採集資料のなかから完形の土器にはなかった数種の器台を見つけ出し、下詩洞古墳群における新羅土器の高杯・長頸壺・器台という器種組合せによる土器編年を再構築した。
1980年以降に関東大学校博物館や江陵大学校博物館により、江原道の下詩洞古墳群以外での古墳発掘が進み、江原道東海岸部でのさらに細かい土器編年が提示されてきたが、今回の研究はそれを補完するものである。東海岸は南下すると慶尚北道に続き、浦項から兄山江を遡ると新羅の都である慶州に至るが、慶州と江原道東海岸をつなぐ位置にある浦項では、玉城里古墳群などの新羅土器の器種組合せが良好にわかる遺跡が調査され、慶州外縁部の土器の様相が解明されつつある。
本研究の成果を合わせることにより、新羅文化、新羅政治勢力が、いつ、どのような経路をへて朝鮮半島東海岸を北上したかを知ることができ、新羅古代国家の成長過程の解明に役立つ。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 総論 植民地期の朝鮮考古学2010

    • 著者名/発表者名
      早乙女雅博
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル 596号

      ページ: 3-5

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi