研究課題/領域番号 |
21520776
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山路 直充 明治大学, 文学部, 兼任講師 (50468823)
|
キーワード | 考古学 / 文字瓦 / 生産と負担 / データベース / 資料論 |
研究概要 |
研究の目的 古代の文字瓦の画像つきデータベースを構築し、歴史資料としての文宇瓦の特性を明らかにする。その上で、データベースをもとに、瓦に記名された文字と生産工程の双方の視点から、寺や官衙の造営における。瓦の生産と負担のシステム、瓦の発注主体者と寺・建立主体者の関係を解明し、窯業生産をとおして地域社会の実態に迫る。 ◎文字瓦データベースの作成 各地の調査員から送付されてきたデータから、山城国(長岡京)136点美濃国117点、筑前国(大宰府関連)553点、豊前国6点 肥後国6点 大隅国1点の計6国819点のデータが処理もしくはその途中にあり、播磨国57点 山城国(山崎院)66点 伊勢国511点 遠江国4点 駿河国6点 伊豆国10点 常陸国(那賀郡窯跡・集落)383点、出羽国42点計8国1,079点を明治大学古代学研究所ホームページ(http://mm.kisc.meiji.ac.jp/~meikoai/index.html)に掲載した。 ◎地域における窯業生産体制の調査 昨年度末におきた東日本大震災の影響で本年度確認調査をおこなって発表する予定であった台渡里廃寺(茨城県)と多賀城創建期・同関連遺跡(宮城県)の文字瓦の検討が表できなかった。その代り、震災の影響が少なく、データ集積が進んでいる奈良・京都・下野などに確認の調査に行き、データが作成されていない甲斐の調査をおこなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの公開のため、各地の研究協力者にデータの校正を依頼したが、その校正などに手間がかかり、データの公開がやや遅れ、公開も地域ごとにおこなう予定が異なっている。ただし、データの処理は順調であり、全体の計画はおおむね順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
データの公開は順次進める。ただし、依頼した調査データが送付されてこない、一部の遺跡や地域(武蔵国分寺、四国地方、北陸地方の一部など)は、督促をおこない、データの公開を促進する。 本年度(平成24年度)からは、研究のまとめに入るので、当初の計画どおり、本年度は、多賀城を中心とした東北地方の文字瓦研究の総括をおこない、東国の特性を文字瓦から考究する。 来年度(平成25年度)は研究を総括し、文字瓦の成立に関わる瓦の生産と負担のシステムのモデルを提示し、関連の公開シンポジウムを開催したい。
|